かつお漁は、複数の漁法を用いて行われます。
代表的な漁法として知られているのは一本釣り、巻き網漁、ひき縄漁で、それぞれ異なる特徴を持ち、水揚げされるかつおの鮮度や漁獲量も異なります。
本記事では、巻き網漁のメリット・デメリットや一本釣りとの違いについて解説します。ぜひ参考にしてください。
※記事監修:かつおの本場、高知県中土佐町久礼、大正町市場の藁焼きタタキ専門店「山本鮮魚店」の店主山本忠宣。
巻き網漁とは
巻き網漁は、魚群探知機やソナーを活用して魚群を探し出し、網を円形に展開することで魚を包み込む漁法です。
底の網を徐々に締めていき、完全に包囲して魚の逃げ場をなくします。
船団方式で行われることも多く、様々な役割を持つ漁船が協力することで大量の獲物を獲得できます。
全国各地で用いられる漁法であり、かつおをはじめ、アジ、サバ、イワシなど数多くの魚が対象です。種類ごとに適した魚網を使い分けます。
巻き網漁で水揚げした魚は基本的には生食に適していません。しかし、一部品質の良いものはPSと呼ばれ、一本釣りに劣らない鮮度と言われています。
かつおの巻き網漁のメリット
巻き網漁は一度に大量の獲物を捕獲できるため、効率が良い漁法として知られています。獲物をおびき寄せるための餌も必要ありません。
また、水産資源が減少しても漁獲量が安定している点もメリットのひとつです。資源の減少により群れの総数は減りますが密度は変化しません。
巻き網漁は魚探やソナーを用いてピンポイントで群れを一網打尽にするため、探す手間が増えるだけで漁獲量は維持されます。
かつおの巻き網漁のデメリット
一方で、巻き網漁のデメリットは以下の通りです。
・品質が下がる場合がある
・水産資源の減少につながる
それぞれ詳細に解説します。
品質が下がる場合がある
巻き網漁では、とらえた魚が網の中で暴れるため、衝突が起こり個体に傷ができやすいです。
傷が入った魚は鮮度が落ち生食に適さないため、加熱用や加工用で用いられることが多いです。
また、網の中で自由に動き回ることができず酸欠になり死んでしまう個体もいます。安定した品質を求めるには、巻き網漁はデメリットが多いです。
水産資源の減少につながる
魚を一網打尽にするという特性上、目的以外のものもまとめて漁獲してしまうため、乱獲問題が発生します。
近年ではマグロ漁の漁法としても拡大しているため、水産資源の減少が危惧されています。
かつおにおける巻き網漁と一本釣りの違い
巻き網漁はかつお漁の主流ですが、高知では主に一本釣り漁法が用いられています。
巻き網漁と一本釣り漁にはどのような違いがあるのでしょうか。
・鮮度
・漁獲量
それぞれの観点から違いを解説します。
鮮度
一本釣りはかつお漁の中でも鮮度が良いとされています。身に傷が入りにくく、釣り上げたら即冷蔵・冷凍保存ができるためです。一本釣りされたかつおは市場での価値が高く、生食に適しています。
一方で、巻き網漁は引き上げるまでに魚体が暴れ、衝突が起き身に傷が入る場合があります。一部鮮度が良い個体は生食用にされますが、加熱用や加工用で用いられることが多いです。
鮮度という観点で見れば、巻き網漁は一本釣りに劣っていると言えるでしょう。
漁獲量
一本釣りはその性質上、一匹ずつ人の手で釣り上げる必要があるため、漁獲量は多くありません。
一方で、巻き網漁はかつおの群れを一網打尽にするため、漁法の中でも効率が良く漁獲量が多いです。
漁獲量では、巻き網漁は一本釣りに優っていると言えます。
漁法にはそれぞれ長所と短所があるため、状況に応じて使い分けられているのです。
まとめ
巻き網漁はかつおのみならず、多くの漁で用いられます。全国的に広まっており、多数の人を動員した船団で漁を行うことも多いです。
かつお漁のなかでも巻き網漁は、効率が良く漁獲量が多いというメリットがありますが、品質が落ちやすいというデメリットもあります。
一方で、一本釣り漁法やひき縄漁にもメリット・デメリットがあり、状況に応じて漁法を選択することで、漁師がかつおを漁港に運び、私たちのもとへ届きます。
巻き網漁の情報をもとに、かつお漁について詳しく調べてみてはいかがでしょうか。
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