「食べたかつおがとても臭かった…。」そんな時はもしかすると、運悪く『ごしがつお」に当たったのかもしれません。
本記事では、ごしがつおとは何かに焦点を当て、原因・判別方法・活用方法について解説します。
記事後半には「ごし」と「ごし以外」の見比べもあるので、ぜひ参考にしてください。
※記事監修:かつおの本場、高知県中土佐町久礼、大正町市場の藁焼きタタキ専門店「山本鮮魚店」の店主山本忠宣。
ごしがつおとは
ごしがつおとは、水揚げされたかつおの群れの中に数%ほど混ざっている、通常よりも身質が悪く血生臭いかつおのことです。他にも、石がつお、ごりがつおなど様々な名前で呼ばれます。
ごしがつおには個体差があり、全体が変質しているものや、体の一部のみが変質しているものなど様々です。一部のみがごしになっていることを『部分ごし』と呼びます。
上記の写真は当店で選別した「ごしがつお」です。
ごしがつおが発生する原因
ごしがつおが発生する具体的な原因は、現在も解明されていません。
発生原因を調査するなかで、食べる餌の違いによるものではないか、病気が関係しているのではないか、急激な水温の変化によるものではないか、などいくつかの説が拳げられています。しかしこれらも明確な証拠がありません。
また、発生頻度についても規則性がないため、ごしがつおに遭遇するかは運しだいになります。
ごしがつおの判別方法
ごしがつおの判別方法には、以下の3つがあります。
・見た目
・かたさ
・におい
それぞれ詳細に解説します。
見た目
ごしがつおは、日頃からかつおに携わっているプロでも、さばく前の外見だけで判別することはできません。通常のかつおと遜色のない外見をしているためです。
また、さばいて節にしても、プロ・専門家でなければ判別することはとても難しいです。
ごしがつおを見抜くには、経験を重ねる必要があります。
かたさ
ごしがつおは、身に弾力が感じられず石のようなかたさをしています。
見た目での判別と同じく、触感だけでごしがつおと見抜くには豊富な経験が必要です。
におい
個体差はありますが、ごしがつおは血生臭く鉄のようなにおいをしているため、判別材料の一つになります。
特に内臓を取り出す段階では激臭がすることも。普段とは明らかに違う臭いがしたなら、ごしがつおである可能性が高いでしょう。
【クイズ】ごしがつおはどっち?
それでは実際にごしがつおを「見た目」で判断できるか見てみましょう。
光の具合もありますが、左と右、どちらがごしがつおでしょうか?
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正解は、右がごしがつおです!
もしこの写真から判別できたとしたら、見抜く才能があるでしょう。
当店では右のごしがつおは食堂で提供することはございません。
ごしがつおの活用方法
ごしがつおにはいくつかの判別方法がありますが、安定して判別できるようになるには長年の経験が必要になります。
仕入れにかかる値段のこともあり、飲食店や専門店ではごしがつおの存在は悩みの種です。
ごしがつおとは知らず、そのまま提供する店舗もあるため、ご飯を食べに入った店舗でごしがつおに当たる可能性もあるでしょう。
かつおの本場高知ではごしがつおの排除を徹底している
かつおの本場高知では、県民が日頃からかつおを食べ舌が肥えているため、生半可な味では受け入れられません。
県民に満足してもらうためにも、飲食店や専門店はごしがつおを刺身やタタキで提供せず、焼き節などにして活用しています。
高知はかつおが美味しいと評判の高い県です。美味しさには様々な理由がありますが、ごしがつおを提供していないことも、高知のかつおが美味しい一因でしょう。
ごしがつおを排除した藁焼きタタキを購入するなら山本鮮魚店
本場高知ではごしがつおを生で提供しないため、安心して刺身やタタキでかつおを味わえます。特に藁焼きタタキは県内外問わず人気の高い食べ方です。
かつおの聖地、中土佐町久礼に店を構える山本鮮魚店では、一本釣りされた鮮度抜群の日戻りかつおをその日のうちに100%藁焼きタタキにして提供しています。通販も行っているため、遠方の方も気軽にご購入ください。
ごしがつおを排除した高知産の藁焼きタタキ、ぜひ一度味わってみてはいかがでしょうか。