宮崎県日向市の細川地区でのみ食べられるかつおを使った郷土料理があります。
本記事では「こまなす」について紹介します。ぜひご覧ください。
※記事監修:かつおの本場、高知県中土佐町久礼、大正町市場の藁焼きタタキ専門店「山本鮮魚店」の店主山本忠宣。
こまなすとは?
※画像引用元:https://hyuga.or.jp/contents/archives/883
こなますとは、宮崎県日向市の細川地区で親しまれている郷土料理です。
強火で炙ったかつおをご飯にまぜ、一般的な「焼きおにぎり風」に仕上げて作ります。
炙ることで生臭さが消え、さっぱりとした味が特徴。全国的に見ても細島地区でしか食べることのできない珍しい名物です。
「こねまわす」の派生語で、今では「こまなす」という料理名で浸透しました。
こまなすが生まれた経緯
もともと宮崎県はかつお漁が盛んで、日向市の細島港にはかつおやまぐろが水揚げされてます。
そんな細川地区でかつお漁に従事する地域の漁師が、昼食で余ったご飯とかつおを使って作業中に作り食べたことが発祥とされます。
船の上の漁師の味でしたが、家へのお土産として持ち帰る人も多かったとか。
帰宅後にこまなすを食べて喜ぶ家族の顔を思い浮かべながら、海の上でおにぎりを焼く漁師たちの優しさを感じる料理といえるでしょう。
いまではその美味しさから細川地区の家庭料理として根付きました。
こまなすの作り方
こまなすはシンプルなレシピなので、かつおがあれば簡単に作ることができます。
①かつおをバーナーや七輪などで中までしっかり焼き上げる
②焼いたかつおを細かく切り刻む
③お好みでかつおの塩やしょうゆで味付けする ※薄めがおすすめです
④白米に混ぜしっかり混ぜ込む(こねまわす)
⑤おにぎりの形に整えバーナーや七輪などで焼き上げる
作業時間は10分少々。あくまで船の上で作る料理なので、調理道具も最小限で済むお手軽料理です。
バーナーもいいですが、七輪で炭火焼きするとさらに旨みが増しますよ。
こまなすのアレンジレシピ
焼きおにぎりのアレンジレシピといえば「お茶漬け」です。
こまなすも焼きおにぎりの一種なので、お茶漬けもおすすめです。
かつおの出汁がしっかり効いて、風味豊かなお茶漬けが楽しめます。
お好みでねぎ・刻みのり・わさびなどを入れるとより美味しく食べられます。
まずはご当地と同じくそのまま食べたうえで、アレンジとしてお茶漬けを楽しんではいかがでしょうか。
まとめ
こまなすは宮崎県日向市細川地区のみで親しまれる郷土料理です。
船の上から、家で待つ家族の笑顔を思い浮かべながら作ったことでしょう。
いまでは家庭料理と親しまれ、細川地区ではこまなすを提供する飲食店もあります。
現地に行った際には食べてみてはいかがでしょうか。
また調理は簡単なので、ぜひ自宅でも作ってみてください。