かつおにはなまり節と呼ばれる加工食品がありますが、食べたことがない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、かつおのなまり節の作り方やアレンジレシピについて解説します。ぜひ参考にしてください。
※記事監修:かつおの本場、高知県中土佐町久礼、大正町市場の藁焼きタタキ専門店「山本鮮魚店」の店主山本忠宣。
かつおのなまり節とは
かつおのなまり節とは、生のかつおをさばいたあとに蒸す、ゆでるなどの加熱処理をした加工食品です。漢字では「生利節」と書き、その他「生り節」「生節(なまぶし)」とも呼ばれます。
主な産地は静岡県焼津市であり、江戸時代以降に生産が盛んになりました。なまり節という名前は、生節や生煎干(なまいりぼし)が、なまってなまり節となったという説があります。
また、なまり節と似たものにかつお節がありますが、これらの違いは乾燥のさせ方です。なまり節は鰹節のように完全に乾燥させていないため、そのまま食材として利用できます。さまざまな料理に用いることができるため、後述のアレンジレシピも参考にしてください。
かつおのなまり節の作り方
なまり節は、スーパーなどで材料を揃えることで自宅でも作ることができます。必要な材料はかつおの切り身と酒、塩など普段から使用する調味料のみです。
始めに、かつおの切り身に塩を振りかけて15分ほど馴染ませます。身の厚さに応じて塩の量を変えるのがおすすめです。時間を短縮したい際は、塩を振りかけずにそのまま茹でても問題ありません。切り身で購入していない場合は、背と腹に分けて腹骨を切り落としてから行いましょう。
次に、鍋にかつおがかぶるくらいの水・酒・塩を加え、沸騰したらかつおを加えて10~20分ほど茹でます。強火で茹でると身が崩れるため、軽い沸騰が続くくらいの火加減を保知ましょう。
最後に、1時間〜半日ほど放熱したら完成です。簡単に作れるため、興味がある方はぜひ試してみてください。
かつおのなまり節のアレンジレシピ
かつおのなまり節は、さまざまな料理で活躍します。主なアレンジレシピには、以下があげられます。
・煮物
・唐揚げ
・味噌汁
・サンドイッチ
・パスタ
・サラダ
それぞれ詳細に解説します。
煮物
なまり節を煮物にすることで、染みこんだ旨味を楽しめる一品です。大根やたけのこ、ナスなどさまざまな食材を用いて複数の味を楽しめます。
煮ている最中に鍋をかき回しすぎるとなまり節がバラバラになるため、注意が必要です。
唐揚げ
なまり節を唐揚げにした、サクッとした食感と香ばしい香りを楽しめる一品です。しょうが、しょうゆ、酒、みりんなどの下味をしっかりつけることで、なまり節の旨味をより感じられます。
ご飯のお供はもちろんのこと、酒のあてにもおすすめです。
味噌汁
なまり節を味噌汁した、ダシの旨味と具としての旨味の両方を味わえる一品です。なまり節は大根、人参、玉葱などの根野菜との相性が抜群であるため、相乗効果でより旨味を感じられます。
簡単に作れるお手軽料理なので、手早くご飯を済ませたい際にもおすすめです。
サンドイッチ
いつものサンドイッチになまり節を加えたお手軽レシピです。トマトやきゅうりなどと共に挟むことで、見栄えの良い色鮮やかな料理となります。
天気の良い日は、ピクニックやハイキングに持っていくのもおすすめです。
パスタ
なまり節をパスタの具に使用した一品です。和食のイメージが持たれがちですが、パスタの具に使用しても美味しく食べることができます。
細かく刻んだ青ネギやにんにく、唐辛子と共にほぐしたなまり節を加え、パスタと混ぜ合わせてしっかりと火を通しましょう。香りが立つまでしっかりと炒めて器に盛り付ければ完成です。
アクセントとしてパン粉を加えることで、カリカリとした食感を楽しめます。
サラダ
なまり節をサラダに加えた、ヘルシーな一品です。身を手でほぐしたり、包丁で薄くスライスしたりすることでサラダの具材に使用できます。
また、水菜、トマト、オニオンスライスなど、お好みの野菜と合わせるとより美味しくアレンジできます。その他、アヒージョやチーズを加えるなどの工夫をすることでより満足感のある料理になるため、自分ならではのアレンジを行いましょう。
まとめ
かつおのなまり節は、生のかつおを加熱処理した一品です。特別な機材や食材を使用しないため、自宅で作ることもできます。
煮物、唐揚げ、味噌汁などアレンジレシピが豊富なため、さまざまな料理と組み合わせて食べてみてはいかがでしょうか。