かつおは全国各地で水揚げされており、さまざまな漁港で目にします。水揚げされたかつおは地域ならではの呼び名がある場合もあり、それぞれ異なる特徴があります。
本記事では、かつおの水揚げが盛んな漁港について解説します。ぜひ参考にしてください。
※記事監修:かつおの本場、高知県中土佐町久礼、大正町市場の藁焼きタタキ専門店「山本鮮魚店」の店主山本忠宣。
【宮城県】気仙沼漁港
気仙沼漁港は、宮城県気仙沼市に位置しており太平洋に面しています。16世紀後半から漁業が行われており、カツオ・サメ類・サンマ・カジキ類などで日本有数の水揚げを誇っている点が特徴です。
また、フカヒレの生産量が日本トップクラスであり、カキ、ホタテガイ、アワビなどの魚介藻類も特産品となっています。
夜間にはライトアップが行われ、幻想的な光を楽しむことが可能です。
【千葉県】勝浦漁港
勝浦漁港は、千葉県勝浦市に位置しています。内浦湾の東側にあり、外房エリア最大の漁港です。
漁港で毎日行われている朝市は400年の歴史を持ち、新鮮な魚介類や野菜を求めて多くの観光客が訪れます。興味がある方は、ぜひ一度覗いてみてはいかがでしょうか。
【千葉県】銚子漁港
銚子漁港は、千葉県銚子市に位置しています。ブランド魚である「入梅イワシ」や「銚子つりきんめ」などが有名です。漁港の近くには、多数の海鮮料理店があります。
カツオやマグロなどの回遊魚や、ヒラメやキンメダイなどの底魚など、幅広い種類の魚が水揚げされます。
【高知県】久礼漁港
久礼漁港は、高知県中土佐町に位置しています。とくに日戻りで鮮度抜群の生かつおの水揚げが有名です。
高知では主にかつおの一本釣りが用いられているため、身に傷が少なくきれいな状態で水揚げされます。
漁港周辺にある大正町市場や道の駅なかとさ、黒潮本陣などでは鮮度抜群の生かつおを楽しめます。
久礼漁港についての詳細は「高知県中土佐町にある「久礼漁港」ってどんなところ?」で解説しています。あわせてご覧ください。
【静岡県】焼津漁港
焼津漁港は、静岡県焼津市に位置しています。東海道のほぼ中央にあり交通アクセスが良好で、マグロの水揚げ量が日本トップクラスとして知られています。
かつお・まぐろの遠洋漁業を行う焼津地区と、さば類、いわし類などを主とした沿岸・沖合漁業が盛んな小川地区からなる漁港です。
【宮城県】石巻漁港
※画像参照:石巻市公式HP(https://www.city.ishinomaki.lg.jp/index.html)
石巻漁港は、宮城県石巻市に位置しています。江戸時代から港として活用され始めた漁港であり、周辺には石巻しみん市場・道の駅などの施設があります。
875.47mの魚市場を有しているのが特徴です。2021年9月21日に、世界一長い魚市場としてギネス世界記録に認定されました。
【愛知県】深浦漁港
※画像参照:愛南町商工会(https://ainan.info/)
深浦漁港は、愛媛県愛南町に位置しています。県内で唯一かつおの水揚げを行っている漁港です。漁港内には市場食堂があり、朝市の鮮魚を使用した料理を堪能できます。
また、漁港周辺では、地域ならではの「愛南びやびやかつお」と呼ばれる鮮度の高いかつおを食べることができます。
【和歌山県】串本漁港
※画像参照:和歌山県公式HP(https://www.pref.wakayama.lg.jp/index.html)
串本漁港は、和歌山県串本町に位置しています。カツオのケンケン漁や、トビウオの棒受け網漁などで有名です。
ケンケン漁とは、船の両側や中央から長い竿を張り出し、釣り糸で擬餌針を垂らして行う和歌山を代表する漁業です。
ケンケン漁を用いて串本漁港に水揚げされたかつおのなかから厳選されたものは、「しょらさん鰹」と呼ばれブランド化しています。
【鹿児島県】枕崎漁港
枕崎漁港は、鹿児島県枕崎市に位置しています。1999年7月に漁港単独では日本で初めての貿易港となりました。
かつおの一本釣りが盛んに行われており、「枕崎ぶえん鰹」と呼ばれる新鮮なかつおが水揚げされる事で有名です。
まとめ
漁港は、漁業活動の拠点となる重要な場所です。漁港ごとに異なる特徴があり、かつおの水揚げで有名な漁港もいくつかあります。
水揚げされるかつおは地域によって「愛南びやびやかつお」「しょらさん鰹」「枕崎ぶえん鰹」など異なる呼び名を持つものもあり、地域ならではの食べ方をする場合もあります。
漁港周辺でかつおを食べることが可能な場所も多いため、興味がある方は足を運んでみてはいかがでしょうか。