初鰹は江戸時代において非常に貴重な食材でした。
そのため江戸時代には様々な俳句やことわざが生まれています。
ここでは「初鰹」にまつわる有名な俳句・ことわざを紹介していきます。
ぜひご覧ください。
※記事監修:かつおの本場、高知県中土佐町久礼、大正町市場の藁焼きタタキ専門店「山本鮮魚店」の店主山本忠宣。
「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」
とても有名な俳句なので、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
作者は「松尾芭蕉」と親交が深かったとされる、江戸時代に活躍した俳人・山口素堂(そどう)です。
目に映る(見える)のは鮮やかな「青葉」、聞こえるのは素晴らしい鳴き声の「ほととぎす」、そして食べて美味しい「初鰹」といったように、春から初夏にかけて人々が好んだものを並べて紹介しています。
5月を詠んだものともされており、5月を代表する俳句としてとても有名です。視覚・聴覚・味覚で感じる5月の魅力。とても良い句です。
特に初鰹は5月は旬の最盛期。5月には多くの方が初鰹に夢中になる、というのは江戸時代も現代も変わりませんね。
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「初鰹は女房を質に入れても食え」
こちらは江戸時代で親しまれていたことわざであり、粋な物事をこよなく愛する江戸っ子の気質を表しています。
直訳すると、「女房(妻)を担保に質屋でお金を借りてでも初鰹は食べた方が良い」です。
現代では問題になりそうですが、旬のものは手段を択ばずに食べた方が良いという、粋なものへの執着心が伺えます。
江戸時代の初鰹は希少性が高く非常に高価なものでした。女房を質屋に入れたお金でも、実際に手が届いたかどうかは分かりません。
「まな板に 小判一枚 初鰹」
シンプルに江戸時代の初鰹の価値を表現したユニークな俳句です。
まな板に初鰹を置くと、あたかも小判が一枚置いてあるように錯覚してしまう様子。
つまり、まな板の上の初鰹は小判に匹敵する価値があることを示しています。
当時の小判一枚の価値は、今でいう数万円~数十万円になるのだとか。初鰹の価値、恐るべし。
「鎌倉を 生きて出けむ 初鰹」
松尾芭蕉が詠んだ初鰹の俳句です。
神奈川県の鎌倉は江戸時代、初鰹が水揚げされる場所として有名でした。
その鎌倉から初鰹が出荷される際の、ピチピチで活きの良い様子を表現した句です。
有名俳人が詠むほど、当時は初鰹が人気を博していたことが分かりますね。
まとめ
初鰹、それは今も昔も変わらない、多くの人を魅了する食材だということが、当時の俳句・ことわざから見て取れます。
今でも初鰹は縁起物と知られ、高知では3月~5月にかけてシーズンとなり、多くの方がその味を求めて現地を訪れたり、通販で購入したりします。
初鰹はぜひ一年に一度は食べていただきたい逸品です。お求めは、本場高知の中のかつお聖地「中土佐町久礼」山本鮮魚店でいかがでしょうか。