漫画『土佐の一本釣り』は、中土佐町久礼を一躍全国区にした人気漫画です。
聖地巡礼として久礼を訪れる人も多く、今でも知る人ぞ知る名作です。
ここでは漫画『土佐の一本釣り』について深掘りしていきましょう。
※記事作成：高知県中土佐町久礼で生まれ育った地元民。山本鮮魚店の従業員。
漫画『土佐の一本釣り』とは
漫画『土佐の一本釣り』は、漫画誌ビッグコミックで1975年から約16年間掲載された、長編の人気作品です。
主人公は高知の漁師町・中土佐町久礼に住む純平とヒロインの八千代。二人の青春恋愛物語や、高知で生きる人々の姿を描きます。
純平はカツオ船に乗る若者です。海に生きる漁師に憧れ、15歳という若さでカツオ船に乗りこんだたくましさは、まさに漁師町の男そのもの。
第25回小学館漫画賞受賞作。著者は青柳裕介。全25巻完結。続編作品には『土佐の一本釣り PART2 純平』があります。
映画化も2度されており、80年代には八千代役に当時キャンディーズの「スーちゃん」こと田中好子さんを起用し話題を集めました。
また2016年には全編ロケを中土佐町で行った『平成・土佐の一本釣り』が制作・公開されています。
『土佐の一本釣り』の舞台
漫画『土佐の一本釣り』の舞台は、高知県中西部に位置する中土佐町久礼。
今でも「鰹乃國」「かつおの一本釣りの町」とも称される、かつお漁が盛んな漁師町です。
久礼漁港に毎朝水揚げされる鮮度抜群の一本釣りのかつおは、かつおの味にうるさい高知県民でもわざわざ食べに来るほど。
町の中心部にある久礼大正町市場を中心に、県内外から観光客が訪れます。
中土佐町久礼で『土佐の一本釣り』の聖地をたどろう
それでは中土佐町久礼に残る、漫画『土佐の一本釣り』の聖地をたどっていきましょう。
青柳裕介像（ふるさと海岸）
漫画『土佐の一本釣り』で久礼を全国的に有名にした、青柳裕介さんの功績を称えた石像です。
久礼の海が見渡せるふるさと海岸に設置されています。
久礼大正町市場
ワイドコミック2巻などに登場します。
漫画では久礼大正町市場の入口が描写されています。
またアーケード内には漫画『土佐の一本釣り』の旗も掲げられています。
土佐久礼駅
ワイドコミック1巻などに登場します。
駅の形状は当時と異なりますが、漫画には「久礼駅」の看板が確認できます。
久礼八幡宮
ワイドコミック1巻などに登場します。
出漁前には純平が必ず立ち寄る神社です。
漫画では「八幡宮」と書かれた鳥居と狛犬が描かれています。
久礼の港
久礼を舞台にしているため、久礼の港は漫画に数多く登場します。
久礼を知っている人が読めば「ここ知ってる！」となること間違いなしです。
純平タワー・八千代タワー
中土佐町久礼に2つある津波避難タワー。
愛称が公募され、主人公とヒロインの名前から『純平タワー』『八千代タワー』と名付けられました。
純平タワーはふるさと海岸のそばに、八千代タワーは久礼の内港にそびえ立っています。
西岡酒造
高知最古の酒蔵である「西岡酒造」には、『土佐の一本釣り』に関連する日本酒があります。
・一本釣り
・純平
一本釣りのラベルには、漫画『土佐の一本釣り』の絵が貼られています。
また純平はもちろん、主人公の「純平」の名前からとったものです。
おまけ
全編中土佐町でロケをした『平成・土佐の一本釣り』でも、久礼八幡宮や双名島など数多く久礼のスポットが登場しました。
なかでも八千代の母親の勤務先が、久礼大正町市場入口にある山本鮮魚店（当店）です。
母親役の古村比呂さんのほか、オーディションで選ばれた一般出演者も参加し撮影が行われました。
2023年に新築リニューアルしたので映画そのままの外観ではありませんが、今も元気に営業中です。
中土佐町久礼を楽しもう！
久礼は『土佐の一本釣り』のほかにも、東映アニメーションの『ポッピンQ』や、スタジオジブリの『海がきこえる』など、数多くの舞台として選ばれています。
町全体が漁師町として栄え、かつお漁と共に発展してきた町並みは、2011年に漁師町では全国で初めて、国の文化財（重要文化的景観）として選定されました。
久礼に来たらかつおだけではありません。ぜひ聖地巡礼も兼ねてお越しください。
