かつおは「身」はもちろん、心臓・腹部・中骨・アラなど活用できる部分が多い魚です。しかし頭部は使い道が限られるため、廃棄となるのが一般的です。
ですが頭もさまざまな活用方法があり、上手く調理すれば美味しく食べることもできます。本記事では、かつおの頭に焦点を当て、形や活用方法について解説します。ぜひご覧ください。
※記事監修:かつおの本場、高知県中土佐町久礼、大正町市場の藁焼きタタキ専門店「山本鮮魚店」の店主山本忠宣。
かつおの頭はどんな形?
かつおは口先にかけて鋭利に尖る形をしています。口先から背中にかけてなだらかに続くラインが水の抵抗を減らし、海中を高速で泳ぐのに適した形状です。
また回遊中に視野を広くするため目は比較的大きく、口(顎)はエサを捕食するために鋭い歯を持ちます。マグロやサバに似た見た目をしています。特にマグロとは見分けがつかない人も多いのではないでしょうか。
かつおの頭の活用方法
かつおの頭は主に以下の活用方法があります。
・エサにする
・ダシをとる
・料理する
それぞれ詳細に解説します。
エサにする
少しマニアックな活用方法ですが、漁や釣りのエサにする場合があります。例えば、伊勢えび漁やタコ漁にかつおの頭を使用すると釣果が期待できます。
他にも、魚を引き寄せるための釣り餌「集魚材」として活用も可能です。頭をそのまま、あるいは半分に割って、釣りのポイントに投入することで魚を集められます。
ダシをとる
かつおの頭からは濃厚なダシがとれます。じっくり煮込んで出たダシは美味しく、煮物・みそ汁・炊き込みご飯などにぴったりです。
ただし血合いが多いため、水洗いやエラの除去など丁寧に下処理をする必要があります。また煮立てる際には、丁寧にアクを取り除くことが美味しく仕上げるポイントです。
料理する
かつおの頭には身が多くありませんが、美味しく調理することもできます。次項で詳細に解説します。
かつおの頭のおすすめ調理法
かつおの頭のおすすめ調理法は以下の通りです。
・兜焼き
・カマの煮付け
・ビンタ料理
詳細に見ていきましょう。
兜焼き
兜(かぶと)焼きとは、魚の頭をそのまま(または縦半分に割って)、焼き上げる料理のことです。マグロやタイが有名ですが、かつおでも美味しいです。
特に目の周りの脂質の多い部分が人気があり、かつおの通な食べ方として知られています。ステーキに近い身質のほほ肉もおすすめです。そのままではグリルに入りづらく、身もほぐしにくいので、半分に割って焼き上げましょう。
おすすめ調理法は塩焼きです。身をほぐしながら食べればお箸が止まりません。
カマの煮付け
頭と胴体の間にある「カマ」の部分は、頭と一緒に廃棄されることが多いですが、脂がノっていて美味しく食べられます。濃いめの味付けでじっくり煮付けましょう。
ビンタ料理
ビンタ料理は鹿児島県枕崎市の郷土料理です。ビンタは鹿児島の方言で「頭」を意味しており、かつおの頭を味噌煮や塩煮にしたものが「かつおのビンタ料理」です。
手間暇をかけて長時間煮込むため、骨まで柔らかくなり食べられるようになります。旨味もよく染み込んでいるため絶品です。頭は捨ててしまいがちな部位ですが、煮込めば煮込むほど味が良くなり、コクのある旨味と身の柔らかさを楽しめます。特に目の周辺などは美味しいとされています。
枕崎市では古くから「おもてなし料理」とされており、今でも歓迎会などで振舞われています。ビンタ料理の詳細は以下の記事をご覧ください。
まとめ
かつおはさまざまな部位を活用できる魚です。頭もエサやダシに加えて、美味しく料理することで余すことなく楽しめます。
かつおを一尾仕入れてさばくことは少ないかもしれません。しかし機会があれば、ぜひ頭まで美味しく調理して食べてはいかがでしょうか。
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