ヒラソウダガツオは、熱帯域から温帯域を中心に生息しているかつおです。以前はあまり流通していなかったため、食べたことがない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ヒラソウダガツオの生息地や旬、見分け方の食べ方について解説します。ぜひ参考にしてください。
※記事監修:かつおの本場、高知県中土佐町久礼、大正町市場の藁焼きタタキ専門店「山本鮮魚店」の店主山本忠宣。
ヒラソウダガツオとは
ヒラソウダガツオは、サバ科ソウダガツオ属に所属するかつおの一種です。回遊魚であり、海面付近を大群で移動する習性があります。主に小魚や甲殻類を捕食しており、体長は60cm前後、重さは5kg前後です。似た品種であるマルソウダカツオの群れに混ざり回遊する個体も確認されています。
鮮度落ちが早いため、水揚げから届くまでに時間がかかる内陸部などでは、以前はあまり流通していませんでした。しかし近年の流通の発達に伴い、現在は全国各地で見かけることが多くなりました。
一般的には生食で食べることが多いです。かつお節や塩蔵品など加工品にすることもありますが、マルソウダカツオと比べると脂が少ないためあまり用いられません。
漁獲量は安定しており、主に網を使用した漁法で水揚げされています。
ヒラソウダガツオの生息域
ヒラソウダガツオは、赤道付近の熱帯域から温帯域を中心に世界中で生息しています。陸地に近い場所で見られることが多いです。
日本では主に秋から冬にかけて南側で確認され、夏には北海道まで移動します。また、屋久島や小笠原諸島などの離島でも確認されています。
ヒラソウダガツオの旬
ヒラソウダガツオの旬は10月〜12月頃にかけて訪れます。旬の時期は脂ノリが良くなり、産卵を終える春から初秋にかけては味が落ちるとされています。
旬以外でも一年を通して水揚げされるため、食べる機会が多いです。
ヒラソウダガツオの見分け方
ソウダガツオ属には、ヒラソウダガツオの他にマルソウダガツオと呼ばれる魚がいます。両者は外見が似ているため間違えられることが多いですが、それぞれの特徴を押さえることで、見分けることが可能です。
例えば、ヒラソウダガツオはマルソウダガツオよりもやや大きく平らな見た目をしているため、並べてみると違いが分かりやすいです。
また、鱗の位置が第一背ビレの下あたりで止まるのも特徴です。背中は青く、腹側は白っぽい色をしている点も押さえておくと良いでしょう。
ヒラソウダガツオのおすすめの食べ方
ヒラソウダガツオのおすすめの食べ方は以下です。
・刺身
・タタキ
・煮付け
それぞれ詳細に解説します。
刺身
ヒラソウダガツオは血合いが少ないため、刺身で食べることが多いです。身はもっちりとしていて弾力があり、豊かな旨味と程よい甘みを感じられます。後味が良いため、食べやすい料理です。
特に旬のものは脂が多く絶品であるため、機会があれば食べてみてはいかがでしょうか。
薬味にはにんにくや生姜がおすすめです。
タタキ
ヒラソウダガツオは、タタキで食べることも多いです。炙った皮目が香ばしい風味を出し、舌にまとわりつくような旨味を楽しめます。
薬味にはにんにくや大葉がおすすめです。
より濃厚な味にしたい場合や粘り気が欲しい場合は、なめろうにするのも良いでしょう。
煮付け
ヒラソウダガツオは加熱すると旨味が増すため、煮付けにするのもおすすめです。甘辛くご飯に合う味を楽しめます。
骨を取り除かずに筒切りにして煮付けてもかまいませんがが、骨を取り除きたい方は3枚におろすのがおすすめです。
まとめ
ヒラソウダガツオは近年まで流通量が少ないとされていましたが、流通技術の発達に伴い日本各地で見かけるようになりました。基本的には生食で用いられており、刺身やタタキなど様々な調理方法で味わうことができます。
また近縁種としてマルソウダガツオがいますが、大きさや鱗の位置などで判別が可能です。
身に弾力があり豊かな旨味のヒラソウダガツオ。興味がある方はぜひ一度食べてみてはいかがでしょうか。