
日本では広く親しまれているかつお。では、海外ではどう扱われているのでしょうか。
本記事では、日本以外のかつお事情として、海外の生息地・主な漁獲国・呼び方・日本との食べ方の違いについて解説します。ぜひご覧ください。
※記事監修:かつおの本場、高知県中土佐町久礼、大正町市場の藁焼きタタキ専門店「山本鮮魚店」の店主山本忠宣。
海外のかつおの生息地(分布)

世界中の海に生息するかつお。太平洋・大西洋・インド洋と、熱帯水域を中心に温帯水域にまで広く分布しています。主に表面水温がおおむね15度以上の、北緯40度~南緯40度で見られます。
かつおの産卵活動は、一年を通して表面水温が24度以上の水域(日本より南)において行われます。その後、えさを求めて温帯域まで回遊。日本近海では春~初夏に北上し、秋~初冬にかけて南下をします。北上中のかつおを「初鰹」、南下中のかつおを「戻り鰹」と呼びます。
主なかつおの漁獲国
世界中に生息するかつおは、多くの国で漁獲されますが、その6~7割以上は太平洋で漁獲されています。
1980年代までは日本が世界第一位の漁獲量(世界漁獲量の半数程度)でした。しかし、80年代以降はインドネシア、パプアニューギニア、エクアドル、フィリピンなどの発展途上国を中心に漁獲量が急増。そのほか、韓国、スペイン、アメリカなども漁獲量が安定し、世界各地で多く水揚げされる魚となりました。
海外のかつおの呼び方
かつおを英語で呼ぶ場合は、以下の2パターンあります。
・bonito(ボニート)
・skipjack tuna(スキップジャック ツナ)
どちらかというと、聞いたことがあるのはbonitoでしょうか。bonitoの由来は英語ではなくスペイン語です。スペイン語で「かわいい」という意味をもち、泳ぐかつおの姿が美しかったことが語源という説があります。
skipjack tunaには「ツナ」という言葉が入っているので、違和感を覚えます。ツナは英語で「まぐろ」を指す用語ですが、実は海外では、かつおはまぐろの一種として扱われることが多いのです。かつおとまぐろは、どちらもスズキ目サバ科に属する魚であり、似た魚なので同じように扱われることが多かったのかもしれません。なので日本人の感覚では、両者を明確に使い分けられるように、かつおの英語名は「bonito」となるのが一般的です。
ちなみに「かつおのたたき」を正確に表す英語はありません。そのため調理方法に沿って、炙ったの意味をもつ「seared」を使い、seared bonitoと表されます。
※高知県でかつおの藁焼きタタキを提供する当店(山本鮮魚店)では、英語メニューに「seared bonito」と並べて「katsuo tataki」と記載しています。外国の方も注文時には「tataki」とおっしゃるケースが多く、意外と伝わりますよ。
海外のかつおの食べ方

日本では魚の生食が当たり前なので、かつおは刺身・タタキで食べるのが主流です。ほかにも、かつお節やかつおだしとして多く活用されます。
しかし海外に目を向けると、日本とではかつおの食べ方は大きく異なります。代表的な食べ方はツナ缶です。先述した通り、海外ではまぐろとかつおは同じように扱われることが多いので、ツナ缶の材料はまぐろよりもかつおを使われることが一般的なのだとか。日本で販売されているツナ缶でも、材料にかつおが使用されている商品は珍しくありません。ツナ缶の材料として、海外ではかつおの需要が急増しています。
また国によりますが、かつおは主に加熱して食べられ、焼く、グリルする、煮込むといった調理をされるようです。ほかにも、近年日本食が世界中に広まっている中で、かつお節にも注目が集まっています。
まとめ

ひと昔までは、その半数以上が日本で漁獲され、国内で食べられる魚だったかつおですが、今では世界中で広く親しまれる魚になりました。一方で、消費拡大に伴う過剰漁獲という問題も発生しており、かつお文化が根深い日本にとって、世界各国で協力した適切な資源管理が欠かせません。
かつおを生食で食べられる環境に感謝しながら、日本のかつお文化を大切にしていきましょう。






