※参照元: 福島TRIP(https://www.fukushimatrip.com/)
かつおは主に太平洋側で水揚げされており、地域によってさまざまな郷土料理があります。
本記事では、かつおの焼き浸しの特徴や作り方、おすすめの食べ方について解説します。ぜひ参考にしてください。
※記事監修:かつおの本場、高知県中土佐町久礼、大正町市場の藁焼きタタキ専門店「山本鮮魚店」の店主山本忠宣。
かつおの焼き浸しとは
かつおの焼き浸しとは、かつおを使用した福島県いわき市で伝わる郷土料理の一つです。別名「焼き漬け」「つけ焼き」とも呼ばれており、学校の給食でも提供されるなど地域の人々に古くから親しまれています。
揚げ焼きにしたかつおを生姜の入った醤油ベースの漬け汁に漬け込み、家庭ごとにさまざまなアレンジが加えられる料理です。場合によっては小麦粉をはたいてから焼いたり、完全に揚げてしまう場合もあります。火を通して漬け込むため夏でも日持ちし、生姜の香りが食欲をそそります。ご飯のおかずや子どものおやつ、お酒のあてにもおすすめです。
かつおの焼き浸しの作り方
かつおの焼き浸しに必要な材料は、かつおの切り身、生姜、漬け汁に使用する醤油やみりんなど各種調味料、油です。
はじめに漬け汁を作り、調味料を火にかけて煮詰めてアルコールを飛ばします。すりおろしまたはスライスした生姜を加えて、時間を置いて冷ましましょう。
次にかつおを油で揚げ焼きにします。両面に揚げ色がつくように、上下を返しながら熱が均等に通るように火を入れましょう。焼き終わったら、熱いうちに漬け汁の中へ入れます。漬け汁に入れた後も上下を返して味をしみ込ませ、半日から一晩程漬け込んだら完成です。
出来上がるまでに時間がかかる料理なので、その日のうちに食べたい場合は午前中に作っておくと晩ご飯には食べることができるでしょう。特別な道具を必要としないため、自宅でも作れます。
かつおの焼き浸しが誕生した背景
福島県では昔からかつおが多く水揚げされていました。水揚げしたかつおは刺身ばかりで食べられていましたが、飽きがこないように工夫を凝らした結果、無駄なくおいしく食べきれるように焼き浸しが誕生したという説があります。
考案された当時は砂糖やみりんなどの調味料は使わず、醤油と生姜だけで作るのが一般的だったとか。
かつおの焼き浸しのおすすめの食べ方
かつおの焼き浸しは、アレンジを加えることで異なる味を楽しめます。おすすめの食べ方を5つピックアップしました。
・かつお風味の焼き浸し
・かつおとマグロの焼き浸し
・かつおと夏野菜の焼き浸し
・かつおのにんにく焼き浸し
それぞれ詳細に解説します。
かつお風味の焼き浸し
かつおの切り身ではなく、鰹節を用いて焼き浸しにしたかつお風味の料理です。カロリーを抑えつつ満足感のある味を楽しめます。
食べ過ぎをあまり意識せずに食べられる料理です。
かつおとマグロの焼き浸し
かつおとマグロの旨味を同時に楽しめる料理です。鮮度が落ちてきた刺身を安全に食べることができ、お弁当のおかずにも用いることができます。
ねぎを盛り付けることで、見栄えが良くなるためおすすめです。
かつおと夏野菜の焼き浸し
なすやパプリカなどの夏野菜とかつおを焼き浸しにした料理です。かつおの旨味と旬の味を同時に楽しめます。
梅干しを追加することで酸味が加わり味に変化を出せるため、試してみてはいかがでしょうか。
かつおのにんにく焼き浸し
かつおの焼き浸しにすりおろしにんにくを用いた料理です。にんにくの風味を強く感じることができ、食欲が増進します。
美味しく食べるには、辛くならないように量を調整することがポイントです。
まとめ
福島県いわき市の郷土料理であるかつおの焼き浸しは、現在も家庭や学校などで食べられており地域の方に親しまれています。特別な道具を必要としないため、自宅でも作れる料理です。ただし完成までに時間がかかるため、食べたい時間を逆算してから調理に取り掛かると良いでしょう。
一般的な作り方のほか、アレンジも複数あるため興味がある方は自分好みの味に出会うまでさまざまなものを試してみるのもおすすめです。
暑い夏場にぴったりの焼き浸し、ぜひ一度食べてみてはいかがでしょうか。